自転車の注意点

スポーツ用自転車(以下、「スポーツ車」とします。)は、各種サイクルスポーツ及びレジャー用として長距離旅行、快速走行などに適するような自転車です。最近10年間で、スポーツ車の年間販売台数は増加傾向にあり、また近年はスポーツ車の中では比較的高価格なものが普及しています。

 PIO-NET(パイオネット:全国消費生活情報ネットワーク・システム)によると、近年、スポーツ車の危害・危険に関する相談は、自転車全体の危害・危険に関する相談の2割程度で推移しており、今後スポーツ車の普及が進むことで、さらに相談件数が増加することが懸念されます。

 スポーツ車により危害が発生した場合には、スポーツ車以外の自転車よりも重症化する傾向があることも明らかになっています。また、契約購入金額が10万円以上の相談が全体の約2割を占めており、比較的高価な自転車に関する相談が多いことも特徴です。

 一般的に、スポーツ車は軽量化に重点を置いて造られているため、外部からの衝撃などに対して大きな余裕を持っていないものもあります。条件によっては取り扱い中に横倒しにしただけでも重要部品が変形することがあり、そのまま乗車すると部品が破損し転倒事故に発展することもあります。このほか、スポーツ車特有の構造や点検・調整方法を熟知せず調整が不完全のまま使用していると、やがて走行中に車体の構成部品が破損して転倒事故に発展することもあります。

 そこで、取扱方法に起因した事故の発生を未然に防ぐために、スポーツ車を取り扱う上で注意するべき点について調査し、消費者に情報提供することとしました。